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■定価=2,000円+税
■四六判・並製 224ページ
■装画●山村浩二
■ISBN978-4-8118-0732-4
著者紹介
推薦者のことば
書店イベント開催中


ライアン・ラーキン やせっぽちのバラード

クリス・ロビンソン●著 土居 伸彰●訳

25歳、「ウォーキング」でアカデミー賞ノミネート。28歳、アニメーション史上に残る傑作「ストリート・ミュージック」完成。若くして栄光を手にしたライアン・ラーキンは、一転、成功と創作のプレッシャーに追いつめられ、すべてを捨ててホームレスとして生きることを選んだ。  1965年から72年にかけて4本の短編作品を残し、2007年にこの世を去った伝説のアニメーション作家の希有な人生を、アニメーション映画界の名物ディレクターが追った、魂のノンフィクション。

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■おもな目次

ライアン・ラーキン フィルモグラフィー

あんたが部屋に入ると You Walk into the Room
神は知っている God Knows
俺のなかのその男 The Man in Me
準備はいいかい? Are You Ready?
ダウン・ザ・ハイウェイ Down the Highway
セイヴド Saved
夏の日 Summer Days
ズタズタになって、汚れて Ragged and Dirty
道化師が盗人に言うには(1)――ライアン・ラーキン1943─1962 Said the Joker to the Thief I
もう戻れない Never Gonna Be the Same Again
夜の父親 Father of Night
道化師が盗人に言うには(2)――ライアン・ラーキン1963─1972 Said the Joker to the Thief II 
ウィンタールード Winterlude
終わることなきさよならを Restless Farewell
三人の天使 Three Angels
道化師が盗人に言うには(3)――ライアン・ラーキン1973─1978 Said the Joker to the Thief III
あんたが望んでいたものは What Was It You Wanted
アイム・ノット・ゼア I'm Not There
変わっちまった Things Have Changed
トゥイードル・ディーとトゥイードル・ダム――ある空想上の会話 Tweedle Dee and Tweedle Dum: An Imaginary Conversation
道化師が盗人に言うには(4)――ライアン・ラーキン1978─ Said the Joker to the Thief IV
世界が堕ちていく World Gone Wrong
流れ者の逃亡 Drifter's Escape
考え方を変えなくちゃ Gotta Change My Way of Thinking
ハイランズ Highlands

訳者解説
著者紹介

クリス・ロビンソン(Chris Robinson)
1967年、カナダ・オタワ市生まれ。世界四大アニメーション・フェスティバルのひとつ、オタワ国際アニメーション・フェスティバルの名物ディレクターに して、短編アニメーション界随一の語り部でもある。ハンター・トンプソンらから受けついだ「ゴンゾー」(気の狂った)ジャーナリズムのスタイルを採用した その文章は、アニメーション界に生々しい熱気と情熱とを注ぎ込み、アニメーションに関係のない人もまた無関心ではいられない。 おもな著作は、Canadian Animation: Looking for a Place to Happen(2008)、The Animation Pimp(2007)、Estonian Animation: Between Genius and Utter Illiteracy(2006)、Unsung Heroes of Animation(2005)など。アイスホッケーに関する著作も多く残している。近く、インディペンデント・アニメーションについての 本が出版される予定。


土居伸彰
1981年、東京都生まれ。アニメーション研究・評論。おもな著作に「柔らかな世界――ライアン・ラーキン、そしてアニメーションの原形質的な可能性について」(『アニメーショ ンの映画学』所収、共著、臨川書店)など。
■関連記事

ライアン・ラーキン(Ryan Larkin)
1943年、カナダ・モントリオール市生まれ。カナダ国立映画制作庁(NFB)にてノーマン・マクラレンに師事し、世界のアニメーション史上に残る傑作を 発表。『ウォーキング』(1968)は米アカデミー賞(短編アニメーション部門)にノミネート、『ストリート・ミュージック』(1972)はメルボルン国際映画祭グランプリを受賞する。その後、若くして得た成功とそれに由来するプレッシャーからアルコールやドラッグに依存し挫折、90年代にはホームレスと なる。
2000年、モントリオールの路上で物乞いをしているところを本書の著者、クリス・ロビンソンに「発見」され、アニメーション界に復帰。彼を取りあげたア ニメーション・ドキュメンタリー『ライアン』(監督 クリス・ランドレス)がアカデミー賞を受賞し、ふたたびスポットライトを浴びる。その後、30年以上ものブランクを経てアニメーション制作を再開するも、 2007年、新作の完成を見ないまま肺ガンで死去。

『ライアン・ラーキン 路上に咲いたアニメーション』
2009/9/19 より渋谷ライズXにて上映中!
名古屋・シネマスコーレで11/7からロードショー
大阪・福岡・札幌でも順次公開!
第42回アカデミー賞ノミネート『ウォーキング』、
第77回アカデミー賞受賞『ライアン』ほか一挙公開!
『ライアン・ラーキン 路上に咲いたアニメーション』 公式サイト


推薦者のことば

柳下毅一郎さん(翻訳家・映画評論家)

●忘れられた名前、忘れられぬ映画

 ライアン・ラーキンの名前は忘れられている。いや、元々忘れられるというほど覚えられてもいないかもしれない。60年代の終わりに数本の短編アニメーションを作っただけで、その後長く沈黙していたカナダ人アニメーション作家のことなど知らなくて当然だと言えるかもしれない。そのうちの1本がアカデミー賞候補になったといっても、誰も短編アニメーション部門の候補作など覚えていまい(それをいうなら受賞作だって)。

 だが、一度でもラーキンのアニメーションを見た人は、たとえラーキンの名前を忘れようと、アニメのことは決して忘れないだろう。「ウォーキング」の弾むような動き。そこにはアニメーションの原初的快楽がある。だからこそ、ラーキンの名前が忘れ去られたはるか後になっても、彼のために手を差し伸べようとする人は尽きなかったのである。

 ラーキンの転落の理由はさまざまに語られる。それはアルコールのせいかもしれないし、ドラッグのせいかもしれない。天才につきものの悲劇なのかもしれないし、創造の炎に近づこうとしてイカロスのように焼かれてしまったのかもしれない。あるいは本書の著者が語るように、みずから招いた破滅に過ぎないのかもしれない。だが理由がなんであれ、そんなことは重要ではないだろう。大事なのはただひとつ、ラーキンの映画が放つ快楽、燃え上がる生の喜びなのである。



冨永昌敬さん(映画監督)

●伝説の天才というクソ親父たち

 こんな人どこにでもいる。どこにでもいるうえに、みな等しく厄介なクソ親父である。なにしろ彼らは「やったもん勝ち」の時代を、文字どおり、やりまくって生きてきたのだ。まともなオッサンのはずがない。

 いま彼らは、「伝説の○○」とか「天才○○」等々のご大層な称号とともに、晩節に束の間の安らぎを与えられていることだろう。しかし、やがては然るべき歴史の一頁に染み込んでゆかねばならない。そして、その引導を渡すのが後発の者の仕事であり、「伝説の」「天才」もまた、尊厳を維持できる範囲内で自分をもっとも高く売りつけ、逃げ切ろうとする。

 それを思うと、著者の仕事には敬意を払わざるをえない。しかし彼もまた、何十年かのちには、若者たちの追跡から逃げきる立場になるのだろう。


冨永昌敬監督作品
『シャーリーの好色人生と転落人生』公開中
 『パンドラの匣』2009年10月10日よりロードショー 


関連イベント

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三省堂書店神保町本店4F

  
青山ブックセンター六本木店

『ライアン・ラーキン やせっぽちのバラード』ほか、関連書とラーキンの作品デモ上映を展開中です。どうぞご来店ください。


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