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| 自然体のつくり方 レスポンスする身体へ
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| 斎藤 孝●著 |   
| ■2001年09月発行 ■四六判・上製  208ページ
 ■本体2000円+税
 ■ISBN4-8118-0662-X C0036
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| 〈自然体〉とは〈技〉である。自らの軸はしっかりと保ちながら、外へと開かれた柔軟な心身の構え。それは、意識しなければけっして身につかない、しかし、だれでも獲得できる〈技〉である。内なる「中心感覚」と、他者との「距離感覚」を習得するために。 ★新潮学芸賞受賞作『身体感覚を取り戻す---腰・ハラ文化の再生』の実践編!
 ★関川夏央さん(作家)、栗原彬さん(政治社会学)、渡辺保さん(演劇評論)、各氏推薦。
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| ■おもな目次 
 プロローグ 「自然体」から「レスポンスする身体」へ
 第1部 自然体のつくり方
 1 自然体とはどういうものか
 2 足腰のつくり方
 3 足裏感覚
 4 上半身のつくり方
 5 肚の感覚
 6 方向性をもった感覚
 第2部 レスポンスする身体
 1 コミュニケーションできる身体とは
 2 息を合わせる
 3 中心軸をやりとりする
 4 欧米流のパブリックな身体技法
 ■著者紹介
 
 1960年、静岡県生まれ。東京大学法学部卒。同大学院教育学研究科  学校教育学専攻博士課程をへて、現在、明治大学文学部助教授。教職課程で中・高教員を養成。専攻は教育学、身体論。
 著書に『宮沢賢治という身体』(宮沢賢治賞奨励賞)、『教師=身体という技術』『「ムカツク」構造』(以上、世織書房)、『身体感覚を取り戻す』(NHKブックス、新潮学芸賞)、『子どもたちはなぜキレるのか』(ちくま新書)、『スラムダンクを読み返せ!!』(パラダイム)、『声に出して読みたい日本語』(草思社)などがある。
 ■関連記事
 
 『自然体のつくり方』を推薦します。
 
 ●関川夏央さん(作家)……「自然体」はひとつの「技」である
 自然体とは、たんにラフな姿勢のことではない。
 自然体とは、自分の内側へのみ集中した状態のことではない。
 自然体とは、下半身は充実して力強く、上半身、とくに肩の力は抜けていて、いつ何に対しても柔軟に対応できるような構えである。むしろ自分の外側に配慮する、開かれた身の置きかたである。つまりそれは「技」である。
 
 「腰がきまっている」「肚がすわっている」、伸びやかな安定をしめす古い言い方が、ここで本来の力量を発揮する。その基本には「呼吸」がある。
 そして、そのような「技」は、「他者にレスポンスする身体」あるいは「応答責任能力の高い身体」を、筋道としてつくって行く。
 
 この本のおもしろさと説得力も、斎藤孝の身体の「応答責任能力の高さ」に由来するのだが、それもまた著者の、表現を「技化」する修練によってもたらされたのである。
 
 ●栗原 彬さん(政治社会学・立教大学)
 身体論の画期を、斎藤さんはどうしてこんなに軽やかに風のように語ることができるのだろう。従来の身体論が「抑圧からの解放」を目ざしたとすれば、斎藤さんはその先に行こうとする。
 
 立つ、坐る、歩く、会う。これらの動作が文化であるならば、その技を学び直すことによって文化を書き替え、世界だって書き替えることができるじゃないか。斎藤さんは言う。中心感覚を習得せよ。次いで、他者に一度は身をまかせつつ、たとえばおんぶの技術がそうであるように、互いの中心軸を合わせる。つまりレスポンスする身体をつくること。レスポンスとは、反応であり、責任だから、レスポンスする身体づくりは公共圏のコミュニケーションの構築にほかならない。
 
 誰にもできる「自転車に乗るていどの練習」。このシンプルな仕掛けは、しかし、途方もなく広い射程をもっている。東洋/西洋、武道/スポーツという二項対立をやすやすと超えていき、身体技法につきものの秘儀化と権力関係をこっぱみじんにしてしまう。身体技法と身体論と社会論との美しい重層的な風景を、いくつもの大切なメッセージを語りながら、さわやかな風が吹き抜けていく。
 
 ■関連ホームページ
 
 斎藤孝のホームページ http://www.kisc.meiji.ac.jp/~saito/
 
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