■おもな目次
■著者紹介
新川てるえ(しんかわ・てるえ) NPO法人 Wink 理事長。1964年生まれ。10代で芸能界にデビュー。 1997年、Web サイト「母子家庭共和国」を立ち上げる。 2002年、家庭問題に悩む女性を支援するNPO 法人Wink を設立。 現在は家族問題コメンテーターやカウンセラーとして、雑誌やテレビ等でも活躍中。 養育費相談支援センター運営委員。 『子連れ離婚を考えたときに読む本』(日本実業出版社)、『離婚家庭の子どもの気持ち』(日本加除出版)、『自分でデキル養育費強制執行マニュアル』(ひつじ書房)ほか、著書多数。
山本久美子(やまもと・くみこ) イラストレーター、絵本作家。 1965年生まれ。1987年、多摩美術大学デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。 広告デザイン事務所等の勤務を経て、1999年よりイラストレーターとして活動を始める。 2003年・2005年の「ボローニャ国際絵本原画展」入選を機に、フランスにて絵本を出版。『Àla recherche de Maru』(マルをさがして)文・絵/ Lirabelle、『Le rêve de Léon』(レオンの夢)絵/ Tourbillon。
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著者からのメッセージ 「ありがとう」を伝える絵本 ○新川てるえ
「父親なんか血のつながりしかないし、関係ない!」 母子家庭で育った長女が15歳のときに口にしたひと言でした。生後3か月で母子家庭になった彼女には、父親の記憶はまったくありませんでした。 「確かにママとパパは離婚しているけど、それは大人の都合であって、パパはいまでもあなたのことを想っていると思うよ」とフォローしたつもりの私に、詰め寄るように「じゃ、証拠は!?」というひと言が返ってきました。ショックでした。 離婚当時、調停で決められた養育費がちゃんと支払われたのは1年くらいだったでしょうか。支払いが滞るようになり、裁判所からの履行命令も効果がなく、自分で交渉しようと勇気を出して電話をしてみました。 電話口に出た夫の再婚相手から「うちだって子どもが生まれて苦しいのに、養育費なんて払えません。裁判にでも訴えてください」と感情的に言われたときに、これ以上いやな思いをしたくないとあきらめてしまいました。
でも、「証拠は!?」と娘に問い詰められたとき、養育費をあきらめてしまったことを後悔しました。「離れて暮らしていても愛されているんだ」という証(養育費)があれば、娘がこんなに悲しいことを考えずに育ってこれたのに、と思いました。「離れて暮らしていても愛されている」という証が、養育費と面接交流であり、子どもの権利だと思います。 アメリカ映画などに出てくる、親の離婚によって離れて暮らしている親子は、あたりまえのように週末に会っていますし、経済的な援助も親の義務として果たされています。しかし、日本では絵本の主人公のように、両親の離婚によって離れて暮らす親との関係が終わってしまい、会えないまま育つ子どもがほとんどです。 子どもの本当の気持ちが、大人の都合で無視されているのではないでしょうか。 * 「父親なんて関係ない」と言っていた長女ですが、彼女が15歳のときに養育費の調停をやり直し、支払いが再開した1年後、自分から父親に会ってみると言いだして再会しました。 生後すぐに離婚しているので父親の記憶はなかったはずですが、会ってみて自分の父親だと実感したそうです。彼が子どものころの彼女の写真を大切にもっていてくれて「いままで何もしてやれなくてごめんね」と謝ってくれたときに、自分は捨てられたわけではないということを知り、うれしかったそうです。 この絵本は、娘のひと言がきっかけで作詞した「パパに聞きたいこと」(こんのひとみ作曲)が、もとになっています。
「子どもだと思ってバカにしないで、真実を話してほしい」というのが、母子家庭で育ったわが子の本心でした。 実の父親との再開から数か月後、養育費はまた未払いになってしまいました。でも、娘は父親を恨んではいません。いまでは「どうしてママが離婚したかわかる気がする。あの人は父親としてはダメだけど、人としては憎めないよね」と言っています。それは彼女の成長が言わせているのだと実感します。
この絵本の主人公も思春期を通りすぎたころに、会いたい気持ちをママに伝えます。そしてパパに再会しました。パパにいったい何を聞いたのでしょうか。 自分が恋をして結婚し、家族をもったときにあらためて親の気持ちに気づき、感謝する。離婚家庭の子どもじゃなくても、だれしもが通る道なのではないでしょうか。 両親やわが子に対する「ありがとう」は、照れくさくてなかなか伝えられないひと言ですが、本書をメッセージBOOKとして役立てていただけたらいいな、と思いながら製作しました。 * Winkの活動をとおして、私は自分自身の問題としてわが子の親子交流の修復に向きあってきました。 NPO法人Winkでは、養育費と面接交流を子どもの権利として守る活動を、10年計画で続けています。
2003年〜2004年……ファーストステージ/支援者の啓発。支援者が子どもの権利である養育費と面接交流を守るためにできることを考えて、積極的にサポートしてほしい! 2005年〜2006年……セカンドステージ/当事者の啓発。嫌いで別れた相手からお金なんかもらいたくない、もうかかわりたくない、と思っている養育親もたくさんいます。大人の都合で親子関係を断ち切ってしまって、本当にいいのでしょうか? 2007年〜2010年……サードステージ/世の中の啓発。養育費や面接交流は子どもの権利であると、すべての大人が考えていける世の中になろう! 2011年〜2013年……ラストステージ/払わない親の啓発。離れていても我が子のためにできること考えて! 養育費と面接交流を積極的にしましょう!
この絵本はサードステージの目的にあわせてつくられています。離婚家庭の問題としてではなく、すべての大人が子育てにおける親の責任ときちんと向きあえるように、と考えています。
■関連ホームページ
NPO法人 Wink http://www.npo-wink.org/
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