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2年3組のお話し会―練馬区立の小学校での取組み
・・・・・May5
 

「アナンシと五」
『子どもに聞かせる世界の民話』所収
ジャマイカ島の民話・矢崎源久郎編
1964年・実業之日本社

[内容紹介]
 ストーリーテリング(本を使わないいわゆる語り)はどこの図書館でも児童向けに行っています。子どもに聞かせる世界の民話は定番になっている世界中のお話しを数多く収録しているものです。

 その中の「アナンシと五」は五という名前の魔女が自分の名前が気に入らないばかりに「五」といったものは死んでしまうように呪いの魔法をかけてしまいます。たまたま、それを見ていたアナンシは呪いの言葉「五」を使ってご馳走にありつこうとします。
 

 

   

2年3組のお話し会―練馬区立の小学校での取組み (モモ)

 小学2年になったころから娘は学校の図書室で本を借りて自分で読むようになりました。借りてくる本を見ると結構ボリュームのあるものが多く、愚かな安心感からか家で子どもに本を読んであげる機会が減ってきました。

 そんな最中、学校での読み聞かせの話がありました。協力しますと言ったものの仕事の忙しさにかまけて参加しないでいました。なかなか参加しない私に、「今日はかおちゃんのお母さんが読んでくれた本面白かったよ」と訴えるように話しをします。私にもやってほしいのだなと察し、図書館勤務ときに覚えたストーリーテリングを久々やってみることにしました。出番が決まって夜ストーリーテリングの練習したり、本読みをしていると娘が寄ってきて「明日だね。ママ」とすごく嬉しそうな顔でじっとみています。読み聞かせの日は娘の大好きなお友達の手をとって一番前に座って目で熱いエールを送ってくれました。

 子どもたちは、ストーリーテリングを体験したことがないらしく、本を持たない私に戸惑いをみせましたが「五といったものはしんでしまえ・・・」話が始まるとじっと顔を見つめます。どんどん話の世界に入る様子が肌で感じられました。そして、「1、2、3、4・・・」子どもたちは言わないで、だめだよと目で訴えてきます。そして「5」あー言っちゃった。まるで自分が魔法にかかって倒れてしまったような表情をしました。さて、その日の子どもたちのキーワードは「五」だったようです。黒板に子どもたちの大好きな動物を5匹描いて「ねえ、何匹いるか数えてよ」とアナンシのまねして楽しんだと言っていました。また、ある子の後日もらった感想にお芝居をみているようだったと書いてくれました。一人一人を指でさしながら数えたのがインパクトを与えたのでしょうか。

 さて、お母さんのお話し会は半年間に及びました。その間に読んだお話はなんと57作品にのぼります。かって勤務していた図書館のそばの小学校で一年生の担任だった若い教師が毎日毎日給食のあとに本を読んであげ続けたことを思い起こしました。その教師のクラスは最初こそ図書館を遊び場のごとく勝手気ままに振舞っていたものの、一年間が終わるころには全員がお話大好き人間に変身していました。我が子のクラスもその一年生のクラスと似た状態でした。その子どもたちが自発的に落ち着いて読み聞かせに参加できる様子を見ることができ、不特定多数で毎回顔が違う中での児童奉仕では分からなかった読み聞かせの魅力実感することができました。

 近年、門戸を閉ざしていた学校が地域に開かれた学校をめざしています。地域社会との連携を大切にしている現われがこの取組みの発端でもあったようです。一般的に先生が本に熱心でないとなかなか子どもたちに本を薦めてくれないので子どもがちっとも本を読まないなどと責任を転嫁してしまう話を聞くことがありますが、先生ができないことは親たちが補っていくことも今回の体験から大切だと思いました。3年生になった今年度もお母さんのお話し会を続けて欲しいとの意見が多く出されています。出番に備え、なにか練習しておかなくては。

 

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