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暗がりが想像力をかきたてる
・・・・・January1
 

『おしいれのぼうけん』
古田足日/田畑精一作
1974年・童心社

[内容紹介]
  さくら保育園のおしいれは悪いことをした園児の反省の場所だったので、誰もが二つあるこわいものの一つに数えられていました。もう一つは先生が演じる人形劇のねずみばあさんです。
 けんかが原因でお昼寝時間を妨害し、おしいれにいれられたあきらとさとしは、双方自分は悪くないと意地をはり、謝ることができません。だんだん不安になってきた頃、気味の悪いおしいれの壁の模様が不思議な世界の入口に変わってしまいます。そこに突如現れたのが、人形でない本物のねずみばあさんと数え切れないほどのねずみ、「あやまらないと食べてやる」と執拗に追いかけてきます。

 

   

暗がりが想像力をかきたてる (モモ)

 暗いところは怖いところ、かつて幼少の自分にとっても暗いところは怖かった思い出があります。田舎の実家にはイモ類を保存するための地下室(むろ)がありました。玄関を入った土間に木でふたをしたところがあって、ふたを取ると地下壕のようになっていました。
 真っ暗な室はなんとも不気味で、悪いことをすると母に「ここに入る?」といわれ、ますます入ることができませんでした。土間が土からコンクリートに変わったとき室は閉じられてしまい、いったい室はどんな世界だったかわからずじまいとなりました。ところが室の中のようすは夢で何度もみました。ときにはねずみの世界だったこともあります。小人が住んでいたこともあります。穴は深くて、近くの川の中州につながっていたことも……。入ったことがないので夢で想像したのでしょう。

 おしいれも、ふだんは子どもにとって遊び場の一つですが、閉じ込められると別です。戸を閉めた暗がりのおしいれは子どもにとって恐怖の世界へと変化することだってあります。
  この本では、二人が想像したのがねずみの世界、あまりの恐怖から逃げるのですが、湧き出すようにかならず現れるねずみばあさんは、まるでオカルト映画のシーンのようです。ほとんどが黒だけで描かれた絵はおしいれの世界とマッチしてねずみばあさんの怖さを引き立たせます。本当に起こったらちびりものです。

 怖いものは大好きだけど一人ではなにもできずに泣いてしまうかもしれないけど、友達が一緒ならどうにかなるさ。子どもの心理をにくいほどついた作品です。読んだことのある子どもたちは、おしいれのぼうけん=(イコール)ねずみばあさんと自然にでてくるほど、開いたその瞬間から子どもたちはスリリングなぼうけんに吸い込まれてしまいます。

 以前、怖い話はないかしら、と相談されたので保育園の先生にこの本を紹介したところ、ねずみばあさんになりきって子どもたちに読んであげたそうです。先生のねずみばあさんはどきどきするほど迫力があり、泣いてしまう子どももいました。それからというもの、保育園ではみんなが夢中になってしまい終わりまで読んでとせがみ、先生は声を枯らせながら何日も読んでくれました。

 それ以来保育園ではおしいれ遊びが流行って、昼寝布団をだしたあとのおしいれは押すな押すなの大騒ぎです。「先生、ねずみばあさんやって」「ふっふっふ。ねずみばあさんだよ。わたしのかわいいねずみたちが、おまえたちを食べたがっているよ」などと言っては楽しんでいたと娘が報告してくれました。

 

 (はしの)

我が家のこどもたちは押し入れで遊ぶのが好きです。
そういえば、ドラえもんの寝床も押入れですね。
おまけにタイムマシーンは机の中。
暗いところって、怖いんだけれど、
なんだか不思議でおもしろいことが起こりそうで、
入ってみたくなりますよね。
それにどこかにつながっているような気がしませんか。
私は、小さい頃、地球の裏側につながっている穴が
どこかにあるに違いないと思っていたし、
秘密基地も横穴を掘ったところにありました。
みなさんのお気に入りの暗がりはどこでしたか?

 

 (ひろえ)

わたしも、おしいれが自分の秘密の場所でした。
それこそベットが欲しかった私はおしいれをベットにしたいといって寝てみたことも
あります。
(寝るにはせまかったかなぁ。。。。)
でも狭い空間が暗くなる事でとても広い空間に感じてしまうのですよ。
久しぶりにそのころのことを思い出しました。
1人で微笑んでしまいます。
私の周りでもこの絵本はとても流行りました。
みんなでダンボールをつなげて押入れのような空間を作って遊んだり
どんなお客さんを呼びたいか話をしてみたり、
絵本1冊でいろいろな遊びが生まれたり、色々な会話が弾みますよね。

 

この話題に参加する      


 

『ダレン・シャン』
 I  奇怪なサーカス
 II 若きバンパイア
 III バンパイア・クリスマス

ダレン・シャン/作 
橋本恵/訳
2001年・小学館

「見てはいけない」から大ブームに

 ダレン・シャンの友だちが奇怪なサーカス(シルク・ド・フリーク)のちらしを手に入れてきた。そこには、狼人間や歯女、よじれ双子などが出てくる不思議な演目が書いてあった。
 
 友だち4人で行こう、という話になったがチケットは2枚しか売ってくれなかった。そこで、くじをした結果、ダレン・シャンはいけることになった。親にもないしょで出かけた奇怪なサーカスだが、それは予想以上にすごいものだった。そして、サーカスも終わり帰ろうとしたときに、いっしょに行った友だちがサーカスに出ていたバンパイアにとんでもないお願いをしているところを見てしまったんだ。

(コリーナ)
つづきはこちらから

 

 

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