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「見てはいけない」から大ブームに
・・・・・January1
 

 

『ダレン・シャン』
 I  奇怪なサーカス
 II 若きバンパイア
 III バンパイア・クリスマス

ダレン・シャン/作 
橋本恵/訳
2001年・小学館

[内容紹介]
 ダレン・シャンの友だちが奇怪なサーカス(シルク・ド・フリーク)のちらしを手に入れてきた。そこには、狼人間や歯女、よじれ双子などが出てくる不思議な演目が書いてあった。
 
 友だち4人で行こう、という話になったがチケットは2枚しか売ってくれなかった。そこで、くじをした結果、ダレン・シャンはいけることになった。親にもないしょで出かけた奇怪なサーカスだが、それは予想以上にすごいものだった。そして、サーカスも終わり帰ろうとしたときに、いっしょに行った友だちがサーカスに出ていたバンパイアにとんでもないお願いをしているところを見てしまったんだ。

 

 

   

「見てはいけない」から大ブームに (コリーナ)

 見てはいけないと言われると、ますます見たくなるのは周知のこと。このダレン・シャンは、題名も作者も同じ。「はじめに」の部分で書いてあるように、わけあってのペンネームなのだ。そのあたりの本づくりもうまい。こどもに本の紹介をするときに、シルク・ド・フリークのちらしのページを見せながら伝える。

「よじれ双子に、蛇少年、狼人間たちのサーカスらしい。おくびょう者のお客さまはお断り! そしてこのちらしを手に入れた人だけが行くことができる。親にもないしょで夜中にこっそりダレン・シャンは友だちと二人ででかけていった。そこでとんでもないことにまきこまれることになったんだ。ただし、少し気味の悪いところもあるので、そういう人は読まないほうがいい。また、おもしろがって嫌がる人にわざわざ見せないこと。」

 こんな調子で、本の紹介を進めると、子どもたちの姿勢が前傾になってきた。本の紹介が終わるやいなや予約の申し込み殺到。すぐに借りられることになった子どもたちはいいが、本の数は1冊なのでほとんどの子どもは読みたくても読めない。と思っていると、ちらほらと家で買ってもらったりした子どもたちが増えてきた。なかでも一人の男の子は早かった。その子はクラスの中でもリーダーシップをとる男の子。声も大きく、頭の回転も速く、運動神経バツグン。
 でも、得てしてそうであるようにときに強引で、それが叱られる原因ともなってしまう。声が大きすぎるからと注意しても「だって、ぼくはもともと大きい声なんだもん!」と言い切ってしまうというありさま。
 学校では朝に10分間読書の時間があるが、そのときに彼がダレン・シャンを読んでいた。その時間だけでなく、朝のホームルームが始まっても本から目を離すことができない集中ぶり。「本を閉じましょう。」という始めの声かけが「ダレン・シャン 閉じるよ」と書名を指して言うようになった。すると、「だって、おもしろいんだもん!」と返ってくる。

 もともと、彼はよく本を読むほうであったが、このときは特に集中していた。そして、彼にそれなりに羨望のまなざしを向けているような子どもたちが「ダレン・シャン」のおもしろさをわかって、いっしょにその話題に入りたいと感じたようだ。
 その後すぐに2巻が出た。その入手も彼は早かった。学校図書館より早かったのが事実である。でも、その頃にはかなり「ダレン・シャン」のおもしろさは浸透されており、2巻の発売日を待って買った子どもは一人ではなかった。「ハリーポッターより全然おもしろいよね。」と言う子や「1巻より2巻のほうがおもしろかった!」など声として出てくるのである。

 そして、クリスマス近くに3巻が発売された。このときは、違う男の子が一番に持っていた。発売日より早い日にちだった。朝の読書の時間は、うらやましい叫び声があがった。「えー、もう持ってるの?読ませてぇ。」でももちろん本人が昨日買ってもらって、読み出したばかりのものだから、それは無理なはなし。でも、発売日すぎには、クラスで5人を超える子が持っていた。それが、順々にまわっている様子。またしても、学校図書館より早かった。私もそのリーダーシップの男の子に「ちょっと、見せて。」と言ってしまった。すると、「え、いいよ。貸してあげる。」という答え。「じゃあねえ、冬休み中貸してあげる。」と言われ、大喜びした私である。

 声の大きい男の子と教師の会話である。その場にいた子どもたちの耳には届いているはず。おもしろい本に、宣伝力のある男の子がファンとつけば鬼に金棒である。「ダレン・シャン」はクラスでほぼ半数以上の子どもたちが読んだ本といえるであろう。さらに、書名については全員が知っているものとなった。
  男の子は今、「くまのパディントン」を読んでいる。テストが早く終わったあとなど、「本、読みたいなぁ。」と聞こえるようなひとり言をいう。センスある選書だなぁとうれしくなってしまう。

 

 (はしの)

”こんな風”に紹介されたら、
今すぐに読みたくなってしまいますよね。
妻から聞いた話なのですが、
近頃、息子のともだちが我が家に遊びに来る回数が増えたとのこと。
理由は、新しいゲーム機とゲームソフト。
「うーむ」とちょっと複雑な気持ちなのですが
「勝った人は続けてできる、でも最高3回まで」
「2対2でチームを作ろう」
なんてルールを作って大人数で遊んでいるのを見ると、
これもありかなと思うのだそうです。
ゲームと同じように本もおもしろければ、
こどもたちの中に広がっていくし、
共通の話題となるんですよね。
以前、娘の通う幼稚園で「おしいれのぼうけん」が大流行したそうです。
みなさんの周りでは、どんな本がどんな風に広がっていきましたか?


 (がんば)

ダレンシャンの紹介読んで私も読んでみたくなって図書館に
いったら予約が何件も入っていました。
早くよみたいな〜!
ハリーポッターやダレンシャンなど本離れしている
子どもたちが夢中になって読める本が話題になるのは
嬉しいかぎりです。

 

 (ひろえ)

一時、絵本とは違うかなぁ。。。。”おさるはおさる”という本がとても流行りまし
た。
シリーズで何冊かでているのですが、表紙もなにも見せずに読み聞かせをしました。
これがまたみんなの想像を掻き立て、子どもそれぞれが違うイメージでこの本の理解
をしたようです。
5、6歳の子どもたちのことですから、大人の私たちとは違う思いがたくさんありま
した。
のんびりした本で、とてもほのぼのしていてとても入りやすい本でした。
家に帰り、本のことをを家の人に話してみる約束をし、お手紙で、子どもたちから話
を聞いてくださいと知らせ、その感想を家の人から聞いてみるととても様々な感想を
いただいて、皆がその本を読みたいとまわし読みをしたくらいです。
どんな本であれ興味のあるお話を言葉や絵で表現して伝えていく、、、、そしてまた
本が広がっていく、、、、
とても素敵な事だと思いませんか?
本の世界って無限に楽しめると思います。

 

 (はしの)

 ひろえさんが紹介してくださった『おさるはおさる』(いとうひろし・作・絵、1991年・講談社)を娘と一緒に読みました。
 強情なカニに耳をはさまれてしまい、ひとりだけ「かにみみざる」なってしまうのではないかとおさるの「ぼく」が不安に思っていると、実はおじいちゃんは「たこしっぽざる」、おじいちゃんのおじいちゃんは「へびあたまざる」になりそうだったことをおじいちゃんに教えてもらうんですよね。
 不安になった「ぼく」が思い浮かべる「かにみみざる」や「たこしっぽざる」や「へびあたまざる」のいろいろな姿もおもしろいけれど、きっとこのお話がこどもたちに人気があるのは、「ぼくと おんなじだね。」「うん、うん。」と、「ぼく」とおじいちゃんとの間で何度も繰り返される会話から、安心感を得られるからなのかなあと考えたりします。「ぼく」が感じた不安を、おじいちゃんや、おじいちゃんのおじいちゃんも同じように感じたことがあったんだって。
 そんな難しいことを考えなくても、娘と二人で「うん、うん。」と声を出して読んでいると、とっても楽しい気分になれる本です。

 

 (ひろえ)

はしのさん同感です!!
子どもにとって”おんなじ”って安心するようですね。
僕だけじゃない 1人じゃないっていう安心感は大人になった今もあるような気がし
ます。
「おさるはおさる」を子どもたちに読み聞かせをしている時 何度も繰り返されるフ
レーズやうんうんっていう言葉を子どもと一緒に声に出したことを思い出しました。
自然とうんうんってでてくるんですよ。それがまたおもしろかったし、楽しかった
なぁ。

 

この話題に参加する      


『おしいれのぼうけん』
古田足日/田畑精一作
1974年・童心社

暗がりが想像力をかきたてる 

  さくら保育園のおしいれは悪いことをした園児の反省の場所だったので、誰もが二つあるこわいものの一つに数えられていました。もう一つは先生が演じる人形劇のねずみばあさんです。
 けんかが原因でお昼寝時間を妨害し、おしいれにいれられたあきらとさとしは、双方自分は悪くないと意地をはり、謝ることができません。だんだん不安になってきた頃、気味の悪いおしいれの壁の模様が不思議な世界の入口に変わってしまいます。そこに突如現れたのが、人形でない本物のねずみばあさんと数え切れないほどのねずみ、「あやまらないと食べてやる」と執拗に追いかけてきます。

(モモ)
つづきはこちらから

 

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