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「ゆとり」批判はどうつくられたのか
世代論を解きほぐす

「ゆとり」批判はどうつくられたのか 世代論を解きほぐす

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「ゆとり」批判はどうつくられたのか
世代論を解きほぐす

発行日 2014年10月発行
判型 四六判・並製
頁数 192ページ
価格 本体1700円+税
ISBN ISBN978-4-8118-0778-2
Cコード C0036

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内容

かつて、日本社会は教育にも働き方にも「ゆとり」を強く希求したはずだった。
なぜ「ゆとり世代」は叩かれねばならなかったのか──。

長年にわたりバッシングを受け、
いまや世代論における罵倒のかたちとして定着してしまった「ゆとり」。
「ゆとり世代」批判は根拠ある正しい認識なのか。
気鋭の研究者2人が社会学と教育学の観点から
「ゆとり」言説を読み解き、多くの誤謬を明らかにする。

不毛な学力低下論争のすえに一人歩きしたネガティブ・イメージを支えたものとは?
この問題を置き去りにできない社会的な理由とは?

「ゆとり世代」による座談、著者による対談も収録。

目次

はじめに◆「ゆとり世代」と呼んでほしくない

第1章◆朝日新聞にみる「ゆとり」言説の変遷──岡本智周
■二〇一二年版PISAの報じられ方
「脱ゆとり成果」報道/「ゆとり教育」世代が受けていたPISA/何を「ゆとり」と呼んでいるのか
■八〇年代からの「ゆとり」言説
夢や理想と地続きだった「ゆとり」/「働き方を見直し、欧米なみのゆとりある暮らしを」
■求められた「ゆとりある教育」
「学校教育を見直し、子どもの生活にゆとりを」/「ゆとりのない詰め込み教育からの脱却を」/「ゆとりある教育」のあり方を問うた九〇年代
■二〇〇二年の急転換
学力低下論、総合学習、学びのすすめ/「国の競争力にかかわる問題」——産業界の懸念/紙面審議会での議論——競争原理をめぐって
■言説が実体化させた「ゆとり世代」
揺れ動いた世代の定義/モンスター新入社員という言説/「ゆとり世代にもかかわらず」——消えないレッテル

第2章◆「ゆとり」批判の政治性──岡本智周
■ラベルを上書きする試み
価値の反転と「さとり世代」/社会や時代の問題として
■世代論の虚しさ
先行世代は後続世代をネーミングする/「ゆとり」批判の特異性
■経験主義と系統主義のせめぎあい
日本の教育におけるせめぎあい/アメリカでのせめぎあい——多文化教育をめぐって
■歴史教科書にみる学習内容の実際
系統主義と「国家」の強調の連動/記述の変遷を読み解く
■教育内容の「変化」とはどのようなものか
「ゆとり教育」で内容は薄まったか/教育内容の変化をとらえる視点

座談◆「ゆとり世代」と勝手に呼ばれてしまった当事者たちのちょっと真剣な議論
いつ、どんなときに、だれから言われてきたか/いったい、なんで、くくられる?/「ゆとり教育」と大学入試のビミョーな関係/同じ量・同じ内容の教育だと安心できる?/押しつけられたものを別の言葉で語りなおす

第3章◆教育施策のコンセプトを読む──佐藤博志
■そもそも「ゆとり教育」って、なに?
ゆとり、新学力観、生きる力/九八年改訂学習指導要領をきっかけとした批判/学習指導要領、その改訂と実施
■新学力観という原石——主体的思考・判断・表現の尊重
新学力観が目指したもの/キー・コンピテンシーと新学力観
■原石に影を落とす指導要録——「関心・意欲・態度」を評価する問題点
成績評価における八九年の変更点/相対評価から絶対評価へ/「関心・意欲・態度」は評価にそぐわない
■生きる力という原石——「自立し共に生きる力」として
打ちだされた二十一世紀の「生きる力」/「生きる力」のわかりづらさ
■生きる力とゆとりの結合——スコレーとしてのゆとり
九六年中教審答申で表現された「ゆとり」とは/スコレーの意義を理論化できなかったことの弊害
■「ゆとり」の真の意味を探る——創造的・公共的経験
教育における現代のスコレーとは/「自立し共に生きる力」と「創造的・公共的経験」を

第4章◆「ゆとり教育」の正体──佐藤博志
■九八年改訂学習指導要領の特徴
「教育内容の厳選」の実際/新設された「総合的な学習の時間」/「授業時数の削減」のとらえ方
■九八年改訂学習指導要領が「ゆとり教育」と呼ばれたとき
「三つの誤解」——元文科省事務次官の発言/批判の背景にある教育観
■文科省主導の軌道修正——〇二年「学びのすすめ」と〇三年学習指導要領一部改正
大学生の学力低下論をきっかけに/最低基準とされた学習指導要領と「確かな学力」/残る疑問
■PISAショックと学力低下批判——「ゆとり教育」批判の再検討①
二つの国際調査/PISAの成績がふるわなかった理由/PISA型問題への対応で上がった成績
■若者世代の行動様式に対する批判——「ゆとり教育」批判の再検討②
行動や性質を異質ととらえる目/理不尽な批判
■「総合的な学習の時間」の二律背反——「ゆとり教育」批判の再検討③
何が問題だったのか/「総合学習」の最大の意義
■何が必要とされているのか
グローバル対応と平和主義と/学力の二極化と高度化するカリキュラムへの対応
■「世代フリー社会」に向かって
世代の枠組みを超えて/誤った言説を解体する力

対談◆佐藤博志×岡本智周「ゆとり」批判とは何だったのか、その先に何が見えてきたのか──世代の葛藤をぬけて共生社会へ
わかりやすさゆえに力をもった「ゆとり」言説/自分たちのおかれた状況を問いなおすということ/「ゆとり教育」批判の二つの方向性と社会的文脈/協力・協 働のあり方とPISAの影響力/二〇二〇年の教育で何が目指されるのか/世代論をめぐって──区別と差別と共生と/多文化リテラシーと学校教育/世代の問 題は共生社会への試金石

著者紹介

佐藤博志(さとうひろし)

1970年生まれ。筑波大学人間系(大学院人間総合科学研究科)准教授。博士(教育学)。「学校経営と子どもの学びのイノベーション」「教育改革の国際比較」「オーストラリアの教育改革と自律的学校経営」「スクールリーダーの専門的力量の開発」「グローバル化と教育の変容」をおもなテーマとして研究をおこなっている。 著書に『教育学の探究』(川島書店、2013年、編著)、『学校経営の国際的探究』(酒井書店、2012年、編著)、『オーストラリアの教育改革』(学文社、2011年、編著)、『オーストラリア学校経営改革の研究』(東信堂、2009年、日本教育経営学会学術研究賞)、共著に『新版 オーストラリア・ニュージーランドの教育』(東信堂、2014年、共編著)などがある。

岡本智周(おかもとともちか)

筑波大学人間系(大学院人間総合科学研究科)准教授。「教育内容と社会変動の関連」「学校の社会的機能」「教育とナショナリズム」「共生を促す教育的知識の探索と開発」をおもなテーマとして研究をおこなっている。
著書に『共生社会とナショナルヒストリー』(勁草書房)、『歴史教科書にみるアメリカ』(学文社)、『国民史の変貌』(日本評論社、第1回日本教育社会学会奨励賞)、共著に『学校教育と国民の形成』(学文社)、『共生と希望の教育学』(筑波大学出版会、共編著)、『「ゆとり」批判はどうつくられたのか』(太郎次郎社エディタス)などがある。

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