金子都美絵(かねこつみえ)
1963年生まれ、画工。民話や神話、古代の文字世界を描いてきた。
白川静文字学を画本にする仕事として『〈白川静の絵本〉サイのものがたり』(平凡社)、『【文字場面集】一字一絵』『絵で読む漢字のなりたち』(小社刊)などがある。子どもむけ刊行物の仕事に『漢字なりたちブック[改訂版]』全7巻、『漢字の音よみ名人』『新版101漢字カルタ』『新版98部首カルタ』『ようちえんかんじカルタ』(いずれも小社刊)など。
また、古代文字フォント「春秋-tsu」を制作、フリー公開している。


| 発行日 | 2017年11月発行 |
|---|---|
| 判型 | 四六判・上製 |
| 頁数 | 136ページ |
| 価格 | 本体1700円+税 |
| ISBN | ISBN978-4-8118-0826-0 |
| Cコード | C0095 |
白川静文字学をもとに描きだす、ドラマティックなはじまりの物語。
謎解きのような28のシーン、文字が古代を語りだす──。
美しい彩りで、文字になる一歩手前の姿を表現した「文字場面」と、
はじまりの古代文字と成り立ちの物語からなる、大人のための「漢字絵草紙」。
古代中国の神話や古典を題材にしたコラムも収録。カラー67ページ。
【第一場】空から白い羽根が舞い落ちる
【第二場】男が、魚に涙を落とす
【第三場】女の背後に鳥が寄りそう
【第四場】後ろに心をのこす
【第五場】たて糸に、よこ糸を通して布を織る
【第六場】透かし織りの布のむこうに見えるもの
【第七場】後ろから乗りかかるように抱きつき……
[文字掌話]「呑」と仙術──呑雲吐霧のはなし
【第八場】火を手に持ち、水底を照らす
【第九場】火で廟中を照らす長老の姿
【第十場】穴の中には竜がいる
【第十一場】穴の奥、進むことも退くこともままならず
【第十二場】水鑑に映る自分を、上からじっと見る
【第十三場】器の水で両手を洗う
【第十四場】あふれるたっぷりの水、ゆたかな太ももの女
[文字掌話]「羿」の神話──太陽を射落としたはなし
【第十五場】ほうきで空を掃除する
【第十六場】殻の中の空虚、からっぽの瓢箪
【第十七場】天の形体はまんまるで、二つの蓋を合わせたようである
二十八宿は蓋の骨に似ている
【第十八場】手を翻せば雲となり、手を覆せば雨となる
【第十九場】一本の杖を両方から引きあう
【第二十場】両手で斤をさしあげる
【第二十一場】両手で若木を捧げもつ
[文字掌話]「鵬」と「鳳」──風をおこす鳥のはなし
【第二十二場】一歩一歩、ゆっくりとていねいに歩く
【第二十三場】巫女が、両袖に羽飾りをつけて踊る
【第二十四場】雲気が空に流れるかたち
【第二十五場】死者を輿ぐ
【第二十六場】草むらのなか、死者の骨を拾いあつめる
【第二十七場】転がるしゃれこうべ、雨ざらしの獣の革、月の白
【第二十八場】旗をあげて進む、旗に宿る神とともに
あとがき
出典と参考文献・著者紹介