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隠れ教育費
公立小中学校でかかるお金を徹底検証

隠れ教育費 公立小中学校でかかるお金を徹底検証

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隠れ教育費
公立小中学校でかかるお金を徹底検証

発行日 2019年08月発行
判型 四六判・並製
頁数 256ページ
価格 本体1800円+税
ISBN ISBN978-4-8118-0837-6
Cコード C0036

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内容

小中の9年間でいったい学校にいくら払っているのか? 膨大にかかる入学準備費、教科書より多い私費購入の副教材、保護者もヘトヘト部活動、家計直撃の修学旅行、本当に必要なのか卒業記念品。
義務教育って無償じゃなかったの? 学校や地域によって金額も項目も異なる保護者が学校に支払うお金の現状と、そこに至る歴史や法的根拠を一望し、納得できるあり方へ転換する道を提起する。

目次

はじめに

序章 義務教育は無償、ではない!?
入学前からとぎれなく続く〈モノ〉の購入/学校行事などの〈コト〉費用もつぎつぎに/保護者からの支払い方法と負担の形態/義務教育における公費と私費/憲法上に示された義務教育の無償/就学援助制度だけでは就学を保障できない

■学校のモノとお金
第1章 こんなものまで学校指定品
[実態]頭のてっぺんからつま先まで指定品づくめ
 標準服(制服)/体操着/ジャージ/ランドセル/通学カバン/シューズ/帽子/名札・氏名印/引き出し・道具箱/連絡帳
[歴史]エリートの象徴から管理のツールへ
 制服は洋装とともにやってきた/制服官給の停止と一般への普及/管理と没個性化のツールとして
[理念]なんのための指定品か
 制服指定・服装指導の根拠と限界/指定品が公教育への入り口をせばめてはいないか
[対策]どの指定品を残すのか
 保護者としてできること/公取委からみた制服販売の問題点/例年どおりを見直し、必要性を説明できるものだけに

第2章 増えつづける補助教材
[実態]教科書よりずっと多い、私費購入の補助教材
 ドリル・ワーク・テスト/国語科/社会科/算数・数学科/理科/生活科/音楽科/図画工作科・美術科/技術・家庭科/体育科(中学)/外国語科(英語)/特別の教科 道徳/夏休み・冬休みワーク
[歴史]公費保障の試みと挫折
 教科書代の工面から、補助教材費の捻出へ/教材費公費保障の試みと挫折/消えた教材整備費用
[理念]教材費無償 VS 受益者負担
 教材費の無償はどこまでか/その教材は保護者に買わせるべきものか/教材費の私費負担は最小限に
[対策]「個人持ち」の必要性を見直す
 教材購入の仕組み/同じモノが私費負担になる学校、公費購入になる学校/道具セットの個人持ちを見直す/リユースと管理を考える/高額な実習キットを見直す/流用予算を本来の教育費に

第3章 だれが消耗品を用意するのか
[実態]家庭からの供出と徴収金が頼り
 工作材料/食材・調味料/理科実験材料/用紙と公費・私費/卒業証書/通知表/学級費
[歴史]工業化にともなう学校消耗品の変化
 紙と鉛筆がつくりだした「筆記・宿題」文化/学校の「おたより」はガリ版から輪転機へ
[理念]私費負担・持参品が消えない理由
 現物持参品は〈見えない私費負担〉/想像以上に少ない、学校配当予算/規定のないものは「とりあえず私費」か/施設維持費の私費転嫁は禁止されている
[対策]公費化にむけた「見える」化と、脱・一律負担
 私費頼みの慣習を変えるには/会計報告や決算に注目しよう/現物持参の負担は「脱・一律」でグッと楽に/学級費徴収を本当に「なくす」には/消耗品費を公費で出せない理由はない

資料編 学校のモノとコト 私費負担カレンダー

■学校のコトとお金
第4章 部活動のつみかさなる負担
[実態]部活動費の会計は複雑怪奇
 収入源/運動部の私費負担/団体加盟費/文化部の私費負担/保護者の労力負担
[歴史]くりかえされる部活動の過熱化
 大正期から社会問題だった部活動への熱狂/オリンピックで再来した勝利至上主義/裏目に出た「必修クラブ」の分離
[理念]「自主参加の習い事」が公立学校にある意味とは
 「自主性」を基礎とする部活動/割り当ての不平等感と、後援団体のむりやり感/どの子も自由にアクセスできる部活動に
[対策]部活動費の透明化と負担減
 生徒会費用と部活動費用を分離する/部活動費も、透明性ある予算と執行を/「例年どおり」「人数割り」を見直す/どこまで「そろいのユニフォーム」にするか/「がんばりすぎない努力」で労力負担を減らす

第5章 学校給食は福祉か教育か
[実態]集金袋方式から公会計へ
 調理方式/集金方法/精算・返金/給食費の未納
[歴史]貧困救済から食育へ
 福祉としての学校給食の起こり/援助物資による給食から教育活動の一環へ/行財政改革によるセンター方式導入/食育が求められるなかで
[理念]給食無償化は、どうすれば可能になるか
 福祉としての給食、教育としての給食/給食無償の必要性と進展状況
[対策]公会計化は無償化へのステップ
 公会計化にはメリットがたくさんある/返金のルールはどうなっているのか/給食費未納の原因を再度考える

第6章 有無をいわさぬ旅行と行事
[実態]修学旅行と卒業準備はさいごの大出費
 遠足・社会科見学/修学旅行・林間(臨海)学校/旅行会社の決まり方/宿泊行事の見えない私費負担」/運動会・体育祭/鑑賞教室・合唱コンクール/○周年記念式典/卒業準備金・対策費/学力を試す行事(テスト)
[歴史]軍事訓練から、全員参加の観光旅行へ
 「行軍」に学術研究が加わった初期の修学旅行/健康増進が目的だった林間学校/戦時中、修学旅行はどうなったのか/戦後の急速な普及と形骸化/高まる娯楽性と過重な費用負担と
[理念]参加の強制が家庭に何をもたらしているか
 生活指導・道徳教育の目的をもつ学校行事/参加の強制性が侵害しているもの/宿泊行事を開催する学校の責任
[対策]教育目的にあった実施方法を
 交通手段ひとつにも議論の余地がある/業者選定、観光イベント化、全員参加の慣例を見直す/教育目的と乖離していくお膳立てを見直す/卒業記念品は本当に必要か

終章 「受益者負担」は正当か
 子どもの貧困問題への無自覚/十全とはほど遠い支援制度/無償とは何か、なぜ無償か/公教育の無償範囲を拡大する/どんな子どもも排除されない学校を

おわりに
参考文献リスト

著者紹介

栁澤靖明(やなぎさわやすあき)

埼玉県の小・中学校(小学校7年間、中学校11年間)に事務職員として勤務し、現在、川口市立小谷場中学校事務主査。「事務職員の仕事を事務室の外に開く」をモットーに、事務室だより『でんしょ鳩』などを通じて教職員・保護者・子ども・地域へ情報を発信。就学支援制度の周知や保護者負担金の撤廃に向けて取り組む。2014年より中央大学法学部通信教育課程で学び(2018年修了)、「教育の機会均等・無償性」「子どもの権利」「PTA活動」などをライフワークとして研究している。

川口市立労働安全衛生委員、小谷場中学校学校運営協議会委員、日本教育事務学会理事、川口市教育研究会事務局長などをつとめる。

 

著書に『本当の学校事務の話をしよう』(教育事務学会「学術研究賞」受賞、太郎次郎社エディタス)、共著書・執筆書に、『隠れ教育費』(福嶋尚子との共著、太郎次郎社エディタス)、事務だより研究会編著『増補改訂 つくろう! 事務だより』、保護者負担金研究会編著『保護者負担金がよくわかる本』、藤原文雄編著『事務職員の職務が「従事する」から「つかさどる」へ』(以上、学事出版)など。

福嶋尚子(ふくしましょうこ)

新潟大学教育学研究科修士課程を経て、2011年、東京大学教育学研究科の博士課程に進学。2013年より日本学術振興会特別研究員(DC2)を併任。2015年度より千葉工業大学にて教職課程に助教として勤務し(現職)、教育行政学を担当。2016年、博士号(教育学)を取得。 研究関心は、おもに教育条件整備・学校経営面にかかわる学校の水準保障政策・制度について。具体的には、教材教具整備・財務にかかわる学校基準政策、学校評価・チーム学校等の学校経営改革について、現代的視点と歴史的視点の両面から研究。キーワードは、「学校の自治」「公教育の無償性」の実現、「教職員の専門職性」の確立、不登校から見た義務制学校。近年は、学校事務職員の研究集会での 講師・共同研究者を複数つとめている。 共著書・執筆書に、大津尚志・伊藤良高編『新版 教育課程論のフロンティア』、伊藤良高・大津尚志・永野典詞・荒井英治郎編 『教育と法のフロンティア』(ともに晃洋書房)、世取山洋介・福祉国家構想研究会編『公教育の無償性を実現する: 教育財政法の再構築』(大月書店)など。

推薦のことば・読者の声

教育社会学研究者

内田 良(名古屋大学・准教授) さんからの推薦コメント

最大級におもしろい!
学校のさまざまな<モノ>と<コト>を,ぜんぶ「カネ」から照らし出す。学校の見え方がガラリと変わり,教員の働き方改革にもつながる,斬新でリアルな学校解説本!!

「例年どおり」といった言葉の裏で,どれほど多くの私費が動いていたことか。本書は,保護者の私費負担を,具体例満載で「見える化」してくれる。読み進めていくほどに,学校ではどうにも無駄に私費をかけていることが明らかになっていく。

一方で本書は,たんに「私費負担が大きすぎる」と告発しているわけではない。その主張の土台には,学校教育の重要な理念がある。すなわち学校教育においては,家庭の経済状況にかかわらず,どの子どもにも同じような教育が保障されなければならない。家庭の貧困問題が広がるなか,保護者による多額の私費負担は,学校教育の理念に矛盾するのだ。本書は,学校教育の原理とは何なのかを考えるための,教育学の入門書としても最適である。

そして無駄にカネがかかっているのだとすれば,それは無駄にやりすぎているということでもある。私費負担の見直しとは,学校の行き過ぎた活動の見直しでもある。本書は,肥大化した部活動や修学旅行などに多くの時間を割いてきた教員の働き方を,「カネ」の面から改革していくための指南書としても使える。

栁澤靖明さんは,公立校の事務職員。学校における「カネ」の専門家。そして,福嶋尚子さんは,教育行政学者。教育学における「カネ」の専門家だ。学校のリアルな日常からその歴史的・法制度的背景までを,「カネ」の観点からわかりやすく解説してくれる。現場と研究の見事なコラボレーションが,本書の完成度を高めている。学校に関わる保護者・教職員から,教育学を専門とする学生や研究者まで,学校教育に関心のあるすべての者が,真っ先に目をとおすべき良書である。

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