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・・・・・March3
 


トラベリングパンツ表紙  

『びりっかすの神さま』
岡田淳/作・絵、
1988年・偕成社

違いを理解しあいながら対等な関係を結ぶ

 4年1組に転校してきた木下始は、転校一日目に教室で小さな透き通った男が飛んでいくのを見る。背中には小さな翼が生えている。翌日、始はその男が、クラスで最低点をとったもののところにやってくることを知る。いつしかその小さな男と話ができるようになった始は、男がこのクラスの成績競争の中で、びりっかすになってしまった子の気持ちが集まって生まれたことを知る。この日から始は彼を「びりっかすの神様」と呼び、びりっかすと会うために、つとめてびりをとるようにした。

 ある日、劣等生のみゆきがふとしたことからびりっかすの存在を知る。その日から少しずつ、びりっかすと話せる、びりっかすを通じて、友達とことばを交わさずとも心だけで会話が出きることが、仲間の中に広がり始めた。点数競争に執着のない落ちこぼれっこから次第に、示し合わせてびりをとる作戦が始まった。びりっかす作戦は友達同志の連帯感を育み、じわりじわりとクラスに広がっていった。そして、ついにクラス一の優等生もびりっかすさんを見ることとなる。

 そんな折、季節は運動会へと向かう。目玉種目である学級対抗全員リレーに、子どもたちは、びりっかすの神様に結ばれたチームワークをいかんなく発揮する。ところが、運動会の直前、クラスのみんなは、本気でリレーに臨むべきか、わざとびりになるべきか、真剣に話し合う。そしてとうとう、当日、彼らの決断は「本気で走る」!隣のクラスには清田くんという足に障害のある子がいる。「本気で走る」ことは、そんなハンディを抱えながらも懸命に走り、たたかおうとしている競走相手への誠意であること、仲間と連帯して真剣に挑戦することと、自分ひとりで点取り虫になるために競争することとは違うのだと、4年1組の子どもたちは気づくのであった。

(たまちゃん)
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トラベリングパンツ表紙  

学研まんが ひみつシリーズ
『できる・できないのひみつ』
内山安二/漫画
佐々木宗雄/監修
1976年/学研

限界の向こう側に挑戦!

 なんでもやってみないと気がすまない少年やっ太と、そんなことできっこないとツッコミを入れる外人デキッコナイス。百階建てのビルはできるか? 台風を吹っ飛ばすことはできるか? 地球の裏側まで穴を掘れば、荷物を送れるか? 「できっこないす」「そんなことはない、やったる!」金づち片手にトンテンと、やっ太は今日も挑戦します。
 

 

(なすだ)
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・・・・・January1
 


トラベリングパンツ表紙  

『ものぐさトミー』
ペーン・デュボア/文・絵、
松岡 享子/訳、
1977年・岩波書店

だれもが夢見る電気じかけの家

 トミーは、電気じかけの家にすんでいます。朝になると、ベッドが自動的に動きだし、トミーを着替えさせ、食事までさせてくれます。毎朝、眠いところを起こされている子どもたちにとって、なんでもかんでもやってもらって、怒られないなんてうらやましいかぎりです。ところがある夜、大雨の影響で電線が切れてしまい、トミーの家に電気がとどかなくなったのです。

(コリーナ)
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トラベリングパンツ表紙  

『ぜったいたべないからね』
ローレン・チャイルド/作、
木坂涼/訳
2002年・フレーベル館

心をくすぐる言いかえゲーム

『ぜったいたべないからね』は、好ききらいが多い妹のローラと、どうにかしてたべさせようとするお兄ちゃんのチャーリーのお話です。
「ごはんをたべさせておいてね」とパパとママはそう簡単に言って出かけてしまいますが、「あたし、まめいやだからね。にんじんも、じゃがいもも、きのこも、スパゲッティもいやだからね。たまごもソーセージもダメ。カリフラワーだってたべないからね。キャベツも、にまめも、バナナも、オレンジも、りんごだって、ごはんだって、チーズだって、さかなのフライだって、たべないからね。それかられいのトマト! ぜーったい、たべないからね」と言うローラにごはんをたべさせることは、ほんとうにたいへんなことなのです。でも今日のチャーリーには秘策がありました。
 

(はしの)
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・・・・・ October 10
 


トラベリングパンツ表紙  

『アンジェリーナはバレリーナ』
キャサリン・ボラバード/文、
ヘレン・クレイグ/絵、
おかだよしえ/訳
2003年・講談社

好きなことを続けていれば人生は楽しい

  ねずみのアンジェリーナは、バレエが大好きな女の子。おどりだしたら、用事も約束も、みんな忘れてしまいます。朝起きるとベッドの上でおじきのポーズ。「アンジェリーナ!学校に遅れますよ!」とお母さんに注意されても知らんぷり。学校へ行く途中では、花だんをとびこえようとしますが失敗してこわしてしまいます。遊び時間には、くるくるおどりまわって校庭をひとりじめ。勉強もお手伝いもせずにおどってばかりのアンジェリーナに困ってしまったお母さんは、お父さんに相談します。
「ほんもののバレリーナになりたいなら、ちゃんとレッスンにいかなくちゃっね。」お父さんが思いついた考えは、バレエ着とバレーシューズをプレゼントし、リリー先生のバレエ教室に通わせることでした。

(はしの)
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・・・・・August 8
 


トラベリングパンツ表紙  

『トラベリング・パンツ』
アン・ブラッシェアーズ・作、
大蔦双恵・訳
2002年・理論社

不思議なジーンズが4人の夏を結ぶ

 16歳を目前にした女の子4人組の話。それまでずっといっしょに過ごしていた夏休みだったけれども、今年の夏はそれぞれの事情で別々の場所で過ごすことになった。そのあいだを不思議に結びつける、1本の古いジーンズ。

(コリーナ)
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・・・・・November 11
 


  

『カイコの絵本』
(そだててあそぼう19)
きうちまこと・編、
もとくにこ・絵
1999年・農文協

クラスのカイコの救世主

 カイコは、昆虫なので扱いやすく、はじめの一歩としては、現代っ子にとってもあまり抵抗がない家畜です。卵から成虫までの育て方をていねいに手ほどきしてくれるだけでなく、最後に人間が食べたり、利用したりする方法まできちんと教えてくれています。「育てて食べる」という、残酷だけれどものっぴきならない人間の生の営みをごく当然のこととして取り上げています。そういう意味では、ただかわいがって育てるペットの飼育の本とは主旨が異なります。科学的好奇心をそそる面白い実験が紹介されていたり、カイコをめぐっての日本人の歴史や経済、文化も見えてきて、まさに総合的学習に最適な一冊です。
 

(たまちゃん)
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・・・・・September9
 


  

『これはのみのぴこ』
谷川俊太郎・作、
和田誠・絵
1979年・サンリード

みんながニコニコしてしまう意外性のおもしろさ

 「これは のみの ぴこ」「これは のみの ぴこの すんでいる ねこの ごえもん」「これは のみの ぴこの すんでいる ねこの ごえもんの しっぽ ふんずけた あきらくん」と1ページごとに言葉がつみかさなり、はじめは1行だけだったページも最後のページは行がいっぱいになります。

「おだんごやさんに おかねを かした ぎんこういん」が、次のページではお相撲さんとピンポンをしているという具合に、ページをめくるたびに登場する新しい人物は、この人がこんなことをするわけがないという、その人には似つかわしくない行動をとり、こ 1000 んなことがあるわけないという意外な場面が展開されます。

 小学校二年生の息子はもちろん、幼稚園年長の娘も大好きな本で、いつも二人で大きな声を出して、どちらが早く正確に読むことができるかを競いあうのですが、ハアハアと息をきらせて読み終えた二人の顔は、なぜかニコニコしているという楽しい本です。

(はしの)
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・・・・・June6
 


『ありがとう、フォルカー先生』
パトリシア・ポラッコ 作・絵
香咲弥須子 訳
2001年・岩崎書店

本は読むほどにあまい。」そのあまさは、
字を読めることだけでは、あじわえない。

  トリシャは、本を読むことをとても楽しみにしていました。けれども、まわりの友だちがどんどん字が読めるようになっても、トリシャには、読むことができませんでした。文字はただのぐにゃぐにゃした形に見えるだけです。友だちにもばかにされ、トリシャは学校に通うのもいやになってきました。みんなにいじめられるのも自分がばかだからだ、と考えていたのです。そんなトリシャが5年生のとき、フォルカー先生に出会いました。
 これは、トリシャにとって大きな道をひらく出会いとなりました。

(コリーナ)

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・・・・・May5
 


『デルトラ・クエスト』
エミリー・ロッダ・作
岡田好恵・訳
2002年、岩崎書店

表紙だけで本を決めようとしてない?

 デルトラ王国には七つの宝石を備えたベルトがありました。このベルトには魔法の力があり、デルトラ王国を守っていました。しかし、影の大王にこのベルトの宝石は奪われ、からのベルトとなっていました。そして、国は荒れ果ててしまったのです。

 デルトラ王国を救おうと、かつて王に仕えていたジャードの息子リーフと、ジャードの友、バルダが宝石も求めて旅を始めます。ジャード自身は、足をいためていて一緒に行くことができなかったのです。

 リーフとバルダは、旅の途中で不思議な力を持つ少女ジャスミンと出会います。そして共に宝石を探す旅を続けることにします。七つの宝石は、影の大王によって沈黙の森や、嘆きの湖など別の場所に隠されているのですが、その場所をさがすのさえ大変なことです。さらに、それぞれの場所でも、影の王国の力が大きく支配していて簡単には取り戻せそうにはないのでした。

(コリーナ)

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『ねずみのとうさんアナトール』
イヴ・タイタス文、
ポール・ガルドン絵、
晴海耕平・訳
1995年、童話館出版

「好きなこと」を仕事にしていいの?

 ねずみのとうさんアナトールは、愛する妻や家族と暮らすフランス一幸せなねずみ。ところが、ある日、いつものように人間の家にしのびこんで残りものを探していると、思いがけず、人間がねずみの悪口を言っているのを聞いてしまいます。「台所にしのびこんで生ゴミの缶はかき回すし、テーブルに上がって何でも持って行くし……。」
 ショックを受けたアナトールは家に帰って考えこみます。「何か人間にお返しができるといいんだけど」そう慰める妻のことばに、一瞬にして踊り始めるアナトール。すばらしいアイデアがうかんだのです。

(たまちゃん)

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『オランウータンに森を返す日』
川端裕人 写真・文、
2000年、旺文社

野生動物をペットにするということ

 1999年5月。大阪で4頭のオランウータンが保護された。なぜ、彼らが日本にいるのか。彼らの来たカリマンタン島では何が起こっているのか。
ペットショップで野生動物が売られているという現実から何が見えるのか。
 著者の旅がはじまった。

 

(なすだ)

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・・・・・February 2
 

『ミオよ わたしのミオ』
アストリッド・リンドグレーン作、
大塚勇三訳
2001年 岩波少年文庫

あえてことばにして伝えることの大切さ

『ミオよ わたしのミオ』は、親と子とのきずなについて考えさせられる物語です。みなしごとしてつらい日々を送っていたミオは、ある日、別世界の「はるかな国」に入りこみます。その国を治めていた王は、生まれてから一度も会ったことのない自分のおとうさんでした。ミオは王子としておとうさんと楽しい毎日を過ごします。

 しかし、「はるかな国」に住む人々を悲しませる騎士カトーの存在を知ったミオは、彼を倒すために旅立ちます。道のりは険しく、多くの苦難が待ちうけていました。こんな冒険はやめて「はるかな国」に帰りたいとミオはくじけてしまいそうになります。そんなときにきこえてくるのが「ミオよ、わたしのミオよ」というおとうさんの声でした。ミオは何度もその声に励まされながら、ついに騎士カトーを倒すのです。

(はしの)

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・・・・・November 11
 

『おやすみ、わにのキラキラくん』
カズコ・ストーン作、
いぬいゆみこ訳
1993年・福音館書店

一人の月夜にやってきた友だち

 星のきれいな夜、わにのアリゲーがハンモックにはいって空を見上げていると、いつのまにか星がつながって、わにの形になりました。アリゲーは星でできたわにに「キラキラくん」という名前をつけます。

 するとどうでしょう。キラキラくんに命が吹き込まれたのです。アリゲーとキラキラくんはおしゃべりをし、やがてキラキラくんは地上に降りてきて、ふたりはいっしょに夜のジャングルをお散歩します。
 すっかりなかよくなったあと、キラキラくんは、アリゲーからすてきな星のベッドをプレゼントしてもらってうれしそうに空に帰っていきます。最後のページはアリゲーが星をつなげて書いた「おやすみなさい」の文字の下で、キラキラくんがすやすやとハンモックに揺られています。そばにはずっと二人を見守ってくれたお月さまもぐっすりと目を閉じて眠るのでした。

(たまちゃん)

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・・・・・ October 10
 

『たこやきハマちゃん大ピンチ!』 
あかねるつ・作 福田岩緒・絵
2000年・国土社

ハマちゃんの恋のゆくえにみんなが注目

 大阪から横浜の小学校に転校してきた4年生のハマちゃん。将来の夢はお笑いタレント、たこ焼き屋、野球選手と、めっちゃおもろい、めっちゃ元気な、めっちゃストレートな男の子です。
 ハマちゃんは転校した翌日、ももいろほっぺの女の子サクラに一目ぼれ。以来、ハマちゃんはサクラちゃんのために大奮闘する。サクラちゃんの誕生会に鉄板とボール持参で登場し、得意のたこ焼きづくりに腕をふるったり、風で高い木にひっかかったサクラちゃんのハンカチを、必死で取り返そうとわが身の危険もかえりみない。けれどもそんな一途さがかえってサクラちゃんを悲しませ、ハマちゃんの恋は大ピンチに!

(たまちゃん)

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『でんしゃがくるよ!』
シャーロット・ヴォーグ・作
竹下文子・訳
1998年、偕成社

パパ おぼえてる?

「パパ おぼえてる?」と娘がきいてきました。何を、とききかえしてもはっきり言ってくれないので、「ないしょで教えて」、とお願いしてみました。すると私の耳に顔を近づけて、ヒソヒソ声でゴショゴショと耳うちしてくれる。「でんしゃ いっしょにみたでしょ おぼえてる?」

(はしの)

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・・・・・September9
 

『なまけものの王様とかしこい王女のお話』
ミラ・ローベ作、ズージ・ヴァイゲル絵、佐々木田鶴子訳 、2001年、徳間書店

かっちゃんのこと

  ある国にナニモセン五世という大変なまけものの王様がいました。365日、たらふく食べては寝、食べては寝ての繰り返し、333人の家来たちに何もかもやってもらっているので、自分の足で歩くこともできないほど太っています。
 一方、この王様の一人娘ピンピは王様とは対照的。走り回ったり、遊んだり、朝から晩までのみみたいにはねまわっています。
 さて、ある日王様は病気になってしまいました。国中のどのお医者様も治せないほど重い病気です。ピンピは自分でお医者様を探しに、訪ね歩きます。そして森の中、ガウデオという羊飼いの少年に出会い、彼のおじいさんからナマケモノ病の治し方を教えてもらうのです。ピンピとガウデオは知恵を出し合って王様を森に誘い、いつしか王様はすっかりハタラキモノになって、自分の力でナマケモノ病を治してしまいます。

(たまちゃん)

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『ひとうちななつ』
グリム童話、らくだ・こぶに 再話、
ラボ教育センター
、1978年

卑怯? 勇敢? 仕立屋の大活躍!
 仕立屋が朝めしまえに仕事をしていると、ハエがぶんぶん。仕立屋はこいつらを布きれでひとうち。するとまあ、7匹ものびていた。自分のたくましさに感心した仕立屋は、「ひとうちななつ」と刺繍した帯をしめて、冒険に旅立った。

(なすだ)

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・・・・・August 8
 

『ひとりでいらっしゃい』
斉藤 洋・作
1994年・偕成社

背中を押されて、歩きだしたじゅん君 
 この「ひとりでいらっしゃい」は、大学三年生の兄が忘れたラケットを大学に届けるところから始まります。兄より十歳年下の隆司にとって、大学のキャンパスそのものが異空間の入り口となります。兄にラケットを渡した後、隆志は六号館研究棟で迷子になり、<助教授西戸四郎>の部屋に行くことになりました。そこは、『怪談クラブ』といって、一人一人がその月のテーマにあった怪談話を持ち寄って話すクラブの会場でした。今月のテーマは<子ども>。隆志は、このての話が大好きでしたから、喜んでその場に参加しました。そして、いろいろな怪談話を聞いたのです。

(コリーナ)

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『ビッグバンのてんじくネズミ』
石井睦美・作、長新太・絵
1996年・文溪堂

もしかしたら壮大な宇宙が
   広がっているかもしれない

 少し前までは、ひとりで遊ぶのなんかごめんだった、まだ小四の”ぼく”は、ある日、ひとりで自転車を乗り回したり、ひとりでぼんやりしたり、本を読んだりするのが好きな”ぼく”になっていることに気づく。
 そんなとき、”ぼく”は河川敷でひとりのおじいさんと友だちになる。おじいさんは、てんじくネズミ(モルモット)の話をしてくれる。そのてんじくネズミは、ビッグバンに偶然に残されていた「むなしい」という思念そのもので、おじいさんが抱えているむなしさに引きつけられて、ネズミの姿を借りてやってきたのだという。

(はしの)

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・・・・・July7
 

  

『おちんちんの話』
山本直英 文
子どもの未来社
 ……旧版はあゆみ出版

男の子の「性」を学級で考えた 
『おちんちんの話』では、勃起に驚く小学生の疑問から始まって、外性器、内性器の仕組みを通して勃起や射精について、科学的に説明されています。けれども、父と息子のお風呂の中での会話というリラックスした雰囲気を導入にもってきているので、一つもかたい感じがしません。マスターベーションについても、体はどこをさわっても気持ちがいいという話から始まって、気持ちいいと感じることは人間にとって大切なすばらしい感性であることと語っています。
 

(たまちゃん)

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・・・・・June6
 

  

『怪奇植物トリフィドの侵略』ジョン・ウィンダム 作 中尾明 訳
1973年・あかね書房
『トリフィド時代』ジョン・ウィンダム 著 井上勇 訳
1963年・東京創元社

「毒抜き」なしの要約を!
      


 ある日、地球に緑色の大流星群が降りそそいだ。思いがけない天体ショーに人々は喜んだが、翌日、その流星を見た人は視力を失ってしまう。社会が大混乱におちいるなか、食用油の原料として栽培されていた動く植物「トリフィド」が人々を襲いはじめた。
 
 

(なすだ)

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・・・・・May5
 

「アナンシと五」ジャマイカ島の民話
 『子どもに聞かせる世界の民話』
 矢崎源久郎編 所収

1964年・実業之日本社

2年3組のお話し会
        
―練馬区立の小学校での取組み

 ストーリーテリング(本を使わないいわゆる語り)はどこの図書館でも児童向けに行っています。子どもに聞かせる世界の民話は定番になっている世界中のお話しを数多く収録しているものです。

 その中の「アナンシと五」は五という名前の魔女が自分の名前が気に入らないばかりに「五」といったものは死んでしまうように呪いの魔法をかけてしまいます。たまたま、それを見ていたアナンシは呪いの言葉「五」を使ってご馳走にありつこうとします。
 

(モモ)

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・・・・・April 4
 

『おさるはおさる』
いとうひろし・作・絵
1991年・講談社

たくさんの「うん、うん。」を聞きたい

 強情なカニに耳をはさまれて、自分ひとりだけ「かにみみざる」になってしまうのではないかと不安になる、おさるの「ぼく」。でも実は、おじいちゃんは「たこしっぽざる」、おじいちゃんのおじいちゃんは「へびあたまざる」になりそうだったんだって。

(はしの)

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『神秘の島』J・ベルヌ 作
清水正和 訳 J・フェラ 絵
1978年・福音館書店

DIYの爽快さ
 ときはアメリカ南北戦争時代。南軍の首都から気球で脱出した5人の捕虜たちは、嵐に流され、南太平洋上の孤島に漂着した。彼らはこの島を「リンカーン島」と名付け、遭難者ではなく、開拓者として生きていくことを決意する。

 着のみ着のままで漂着した彼らは、早々と山に登ってそこが島であることを確認すると、緯度・経度を測定し、そこが絶海の孤島で救援の望みはまずないことを知った。彼らは永住する覚悟で島の開拓をはじめる。

 火山から降りてきた晩、リーダーである技師は、道々ひろいあつめた石を出して言った。「君たち、これは鉄鉱石だ。こちらのは黄鉄鉱だ。これは粘土、これは石灰岩、これが石炭だ。みな自然のあたえてくれたものだ。ここまでが自然の仕事で、これからが人間の仕事だ。さあ、明日からがんばろう!」

(なすだ)

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・・・・・March 3
 

 

『半月館のひみつ』
ポール・フライシュマン作
谷口由美子訳
1993年・偕成社

苦難の少年に寄せられる共感と祈り
 主人公の少年アーロンは生まれつき口がきけません。母さんと二人暮しですが、その母さんが町に出かけたまま、帰ってきませんでした。
  心配でいてもたってもいられないアーロンは、母さんをさがしに、雪の中をとびだしました。そして、道に迷い、「半月館」という宿屋でぶきみなグラッグルばあさんにつかまり、働かされ、家に帰してもらえなくなってしまいました。人の夢をのぞき見しては金品をまきあげるグラッグルばあさん、次々おこるおそろしいできこと。「半月館」から逃れ、母さんの腕の中に帰るために、アーロンは頭をつかって格闘します。

(たまちゃん)

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『さよなら エルマおばあさん』
写真・文/大塚敦子
2000年・小学館

いのちをみつめる
 ガンの告知をうけ1年しか生きられないことがわかったエルマおばあさんが、残りの時間を延命処置をほどこさずに自然のかたちで死を迎えていくありさまと、おばあさんを愛する人々が暖かく最後を看取っていくようすが、飼い猫の視点(写真での記録)で描かれています。
  おばあさんは「死ぬってことはね、魂が、この体をでて、こことは別の世界に行くだけなんだからね」と言いちっとも悲しそうでないのです。

(モモ)

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・・・・・February 2
 

 

『ノーダリニッチ島
 K.スギャーマ博士の動物図鑑』
K.スギャーマ 作
1991年・絵本館

うその世界を知らない子どもなんてかわいそう
 生まれついての冒険家、K.スギャーマ博士がノーダリニッチ島への「魂の冒険」の記録をもとにつくった図鑑。
 島に棲む奇妙な動物達の生態が、種類ごとに紹介されている。

(コリーナ)

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『ともだち』
佐藤さとる 作・村上勉 絵
佐藤さとる全集第1巻・『おばあさんの飛行機』1972年・講談社に収録
写真は文庫版

大丈夫、ともだちはきっとできる
 ポストは、毎日幼稚園の行き帰りにあいさつをしてくれるタツオと、一度でいいから一緒に歩きたいと願う。
  そして明日から冬休みというクリスマスイブに、ポストはサンタクロースになってタツオに声をかけることができるんだ。
『ともだち』はこんなお話。僕が初めてこのお話に出会ったのは保育園のとき。どうしてそんな昔のことを憶えているかっていうと、こういうわけがあったんだ。

(はしの)

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・・・・・January1
 


『おしいれのぼうけん』
古田足日/田畑精一作
1974年・童心社

暗がりが想像力をかきたてる 

  さくら保育園のおしいれは悪いことをした園児の反省の場所だったので、誰もが二つあるこわいものの一つに数えられていました。もう一つは先生が演じる人形劇のねずみばあさんです。
 けんかが原因でお昼寝時間を妨害し、おしいれにいれられたあきらとさとしは、双方自分は悪くないと意地をはり、謝ることができません。だんだん不安になってきた頃、気味の悪いおしいれの壁の模様が不思議な世界の入口に変わってしまいます。そこに突如現れたのが、人形でない本物のねずみばあさんと数え切れないほどのねずみ、「あやまらないと食べてやる」と執拗に追いかけてきます。

(モモ)
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『ダレン・シャン』
 I  奇怪なサーカス
 II 若きバンパイア
 III バンパイア・クリスマス

ダレン・シャン/作 
橋本恵/訳
2001年・小学館

「見てはいけない」から大ブームに

 ダレン・シャンの友だちが奇怪なサーカス(シルク・ド・フリーク)のちらしを手に入れてきた。そこには、狼人間や歯女、よじれ双子などが出てくる不思議な演目が書いてあった。
 
 友だち4人で行こう、という話になったがチケットは2枚しか売ってくれなかった。そこで、くじをした結果、ダレン・シャンはいけることになった。親にもないしょで出かけた奇怪なサーカスだが、それは予想以上にすごいものだった。そして、サーカスも終わり帰ろうとしたときに、いっしょに行った友だちがサーカスに出ていたバンパイアにとんでもないお願いをしているところを見てしまったんだ。

(コリーナ)
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・・・・・December12


『すき ときどき きらい』
東君平 文
和歌山靜子 絵
1986年・童心社

「きらい」っていうのは「すき」っていうことだよね!

 ぼくには2歳の弟がいる。ぼくが弟と同じように、母さんのことを「ちゃーちゃん」ってよぶと、「なによ おにいちゃんなのに」って笑われるし、弟は手でごはんを食べてもおこられないのに、ぼくがこぼすと母さんは怒るし、父さんは「おはしは もっと ながくもって」って怒る。
 だから、「ぼくは おとうとのこと きらいで すき。おとうとは ぼくのこと だいすき みたいだけれど。」

(はしの)

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『たんたんタグボート』
谷真介 作
水木連 絵
1974年・偕成社
(写真は1987年の改訂版)

 


『しょうぼうじどうしゃ じぷた』
渡辺茂男 作
山本忠敬 絵
1966年・福音館書店

力いっぱい踏んばる感覚

 低い姿勢で大きな船をぐんぐん引っぱるタグボートの「やすべえ丸」、大物ぞろいの消防署のなかで肩身の狭い思いをしていた消防自動車のじぷた。

 ぼくはなぜ、この物語に強く魅きつけられたのか。

(なすだ)
つづきはこちらから

 

 

・・・・・November 11


『よい子への道』 
おかべ りか
1995年・福音館書店

「よい子」から外れると、こんなにたのしい!?

『よい子への道』を開くと、「その1」から「その25」まで、よい子になるための厳しくも愉快な修行の道が次々と指し示されています。まず「学校へもっていてはいけないもの。1.ことばづかいのわるい石、2. ひげのはえるくすり、3.超強力またたび、4.自分とそっくりなロボット」など学校生活はいうまでもなく、子どもの生活の多岐にわたって、「〜してはならない」おきてが掲げられています。  
 もちろん、これを読んだ子どもは、だれ一人として「よい子への道」の修験道を進もうとはしません。むしろ、掲げられたおきてをことごとく破りたくなり、たちまち「わるい子へ道」をひた走りたくなるのです。それもそのはず、「よい子への道」の「〜するべからず」事項は、どれもみーんな、子ども達がやってみたくてたまらないことだらけなのです。

(たまちゃん)

つづきはこちらから


『みしのたくかにと』
松岡 享子/作
大社 玲子/絵
こぐま社
1998年

子どもの信号を読めるおとな、読めないおとな

 みしのたくかにと・・・…なんて、なんて奇妙なタイトル? 横書きを右からよんだ教科書を知っているお年よりとカンの働く子どもならすぐわかるでしょう。さあもうわかりましたか。
 立派な王様になるようにと、日々お城で勉強や行儀作法に追われる王子様。当然、友達もいないし、相談相手もいません。唯一の楽しみは馬車に乗っての散歩でお城の外の世界をみることだけ、そこにはのびのび遊ぶ同年代のこどもたちの姿が。さびしさと不満の山は日に日に高くなっていきます。王子様の教育は王様が留守になるとエスカレートしていきます。ハンガーストライキで必死に抵抗する王子様は「いなれしもかおがさあ」「いなれしもかかいす」「みしのたくかにと」という食べ物でなければ食べないといいます。

(モモ)

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・・・・・ October 10


『わたしのワンピース』 
にしまき かやこ
1969年・こぐま社

あこがれを実現してくれるワンピース

 幼稚園で毎月行われる、その月に生まれたこどもたちを祝う誕生会。恒例の「おおきくなったら、なにになりたい?」という質問に、4歳の誕生日を祝ってもらった娘は「おんぷちゃん…」と答えました。それも聞こえるか聞こえないかという小さな声で。ほかのこどもたちには聞こえていないかもしれない。それでも娘にとっては、はずかしそうにうつむきながら、やっとの思いで出した言葉です。

(はしの)

つづきはこちらから


『いじわるブッチー』
バーバラ・ボットナー
ぶん
ペギー・ラスマン  え
ひがしはるみ やく
徳間書店

「いろんなひととおともだちにならなきゃだめよ」なんて、大人にだってむずかしい!

 ブッチーはいじわるだから、いっしょにあそびたくない。でも、ママは「いろんなひととおともだちにならなきゃだめよ」って言う。そんなとき、ブッチーのママとパパが出かけるあいだ、ブッチーがうちにとまることになった。さぁ、なんとかしてブッチーをやっつける作戦をたてなくっちゃ!

(コリーナ)

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